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なかのヒデアキ – 顔の謎を解き明かすのが快感!

働き方インタビュー 005 / 動物似顔絵 なかのヒデアキ

働き方インタビュー5人目は、動物をモチーフにしたカワイイ似顔絵を描くなかのヒデアキさん!色鉛筆で描かれた不思議なイラストが好きなんです。オススメ!

大和田獏 不思議の顔の似顔絵

(画像掲載の許可を頂いています。)

なかのヒデアキ プロフィール

なかのヒデアキ、ハンドルネーム:ヒデウサギ、神戸市出身、日本顔学会 会員 山藤章二の似顔絵塾 第30期特待生

なかのヒデアキ

関西に帰省したときに、JR住吉駅のカフェでお話させていただきました。メールしたことはあったんですが、お会いするのは初めて。僕の一回り上なんですが、気さくな方で、話は盛り上がって3時間以上話してました。w

Macの箱がバッグ

お会いしたとき、パソコン買ってきたのかと思ったら、どうやら、マックの箱がカバンになってるようです(笑)。そして、会うなり、今回は読んだ人が笑えるオモロイ内容にしましょう!と言われて、インタビューを開始しました。関西っぽい(笑)。 では、インタビュースタートです!

自己紹介

どうもはじめまして。今日はありがとうございます。職業は何になるんですか?

ええと、イラストレーターです。でも、デザインもしますし、カラーコーディネーターもやってます。基本的に、クリエイティブに関係するものは何でもします。だって、似顔絵だけで食べていくって無理でしょ!(笑)仕事としてはタイトでキツい、職業としては、あまりええもんちゃうと思いますね。

わははは。やっぱり厳しいですか。ずっとフリーランスなんですか?

いえ、2002年までは建築設備会社で働いてました。その頃も似顔絵は描いてましたけどね。大学生のときから趣味で描いてたから、似顔絵歴はもう20年以上になりますね。

いきなりフリーランスになって、仕事ってあるもんなんですか?

いやいや、ないですよ。だから最初は、同業の似顔絵描きの人に仕事をもらってました。

似顔絵はどんな仕事をしてるんですか?

似顔絵の仕事って「有名人を描く」のと「一般の人を描く」ので大きく2種類ありますね。でも、有名人の似顔絵の仕事って、たまーに依頼が来るぐらい。だから「一般の人を描く」のが主になるわけで、イベント業者等に呼ばれて会場で描く、関西で言う「席描き」と、依頼者に写真の資料をもらって自宅の仕事場で描く「写真おこし」とか、ですね。

イベント業者に呼ばれるっていうのが、百貨店とか遊園地で描くやつですよね。あれって、歩合制なんですよね。

イベント業者にもよりますが固定給が多いですね。例えば、日当25000円とかね。業者によって条件は違いますし、もちろん歩合制の所もあります。描く場所もいろいろで、化粧品販売店や地下街もありましたね。

似顔絵の描き方

小泉純一郎 不思議の顔の似顔絵

似顔絵は全部色鉛筆で描いてるんですか?こだわりなんですか?

いや、絵の具で描いてもうまいこといかへんかっただけ(笑)。水彩で描いたら、流れてしもたりね。他の画材が全部ダメやっただけ(笑)。

わははは。そうなんですね。

鉛筆なら消しゴムで直せるから安心!直せると思うと精神衛生上いいでしょ?

わははは。そんな理由だったとは(笑)。僕は、色鉛筆で描いてる立体っぽい似顔絵が好きなんですが、どうやって描いてるんですか?

ミューズコットンっていう凹凸がある紙にモノクロ鉛筆と色鉛筆で描いてます。でも、この紙は扱いが難しいので普段描くイラストでは、あまり使いません。週刊朝日の似顔絵塾に投稿するための描き方ですね。

そうなんですか。あと、動物をモチーフにしてるのがカワイイですよね。

ありがとうございます。たまーに、熱心なファンの人がいてくれるんですよね。中谷さんも、その貴重な1人です(笑)。

僕はなかのサンのイラスト好きですよ。昔からオモシロイイラストを描く人やなと思ってましたよ。

席描きのスタイル

古田敦也の似顔絵

席描きするときは似顔絵のタッチを変える人が多いですけど、なかのサンはどうなんですか?

すごい人は、一般の人も自分のスタイルで描いてるけど、僕は席描きのタッチは変えてますね。ちょっと無難になります。でも、たまにデフォルメがいいっていう人もいるので、最近は最初に聞くんです。「素で描きましょか?笑わせて欲しいですか?動物っぽく描きましょか?」って具合にね。でもほどんと「普通にしてください」ですね。デフォルメを希望する人は同業者が多いですね。相手はプロでしょ?腕を試されてるみたいでね、同業者を描くのは恐ろしいんよ(笑)

そうなんですね(笑)。

デフォルメの程度はホンマ難しいです。有名人や知人は、思いっきりデフォルメできるけど、席描きは初対面やからね。僕のまわりも、いろんな人がいますよ。相手を喜ばせようと描く人もいれば、そのまま描く人もいます。

確かにデフォルメって短所を強調したほうが描きやすいですから難しいですね。そのまま描くと、気に入らない人も出そうですしね。

写真おこしなら、時間あるから余裕をもってデフォルメの調整ができますね。僕の場合、デフォルメの尺度は小さい頃から好きだった「まんが日本昔話」と「世界名作劇場」をミックスして参考にしています。作風も影響受けていますね。写真おこしのサンプルは、こんな感じです。

写真おこしサンプル

あー、なるほど。目がカワイイですね。

席描きは世界で一番短い締め切りの仕事!

井原正巳 不思議の顔の似顔絵

席描きの面白さとか他の人に聞きました?

はい。みんなが言うのは、やっぱりお客さまとのコミュニケーションですね。フィードバックが直接もらえて、その場が楽しいんでしょうね。

そうそう、そのフィードバック!うまくいったときはメチャクチャ喜んでくれますから、描いたコチラもメチャクチャ嬉しいですよ。それで席描きにハマる人も多いんじゃないですかね。

でも、自分の合格点に満たないときもあるって言ってた人もいますよ。

あるある。だって、1つの似顔絵を描く制限時間の相場が約20分でしょ?描くという職業では、世界で一番短い締め切りですよ!そんな限られた時間で毎回自分の合格点を出すのは難しいですよ。

確かに…。

僕は早描きじゃなく「遅描き王」です(笑)。僕は色鉛筆なので、塗るのに時間もかかってしまう。何人かで並んで描いていると僕が一番遅い。横を見たらいつも焦ります。でも、僕が悪いんじゃなくてね、早く描いてしまう人が悪いと思う!(笑)。僕は30分は欲しいと思っているけど、皆さん決められた制限時間で余裕で描いちゃうからねぇ

わははは。

だって、初対面で似顔絵を描いて、一生その似顔絵を飾ってもらえるかもしれないわけですよ。そう思うと、ベストを尽くしたいでしょ?。自分が納得してない似顔絵を飾られるのは絶対イヤなんよ。だから時間が欲しいわけです。以前、15分でペアを描く条件のイベントとか聞いたけど、とんでもない…。できる人はいいけど、僕は無理だから辞退しますよ(笑)。

わははは。どんな業界も、早くて安い人がいますからね。

僕の場合、仕事を受けるかどうかは、価格よりも内容ですね。とにかく時間を与えて欲しいですね。

気になる似顔絵描き

星野仙一 不思議の顔の似顔絵

気になる似顔絵師とかいるんですか?

アルカイックさんですね。あの人の大胆なデフォルメの似顔絵を初めて見たときは、衝撃を受けましたよ。僕が似顔絵塾生になるきっかけになった人ですね。僕は文系出身だけど、科学者にあこがれていたので、ロジカルな物の考え方が好きなんです。アルさんは、理系出身の似顔絵描きで、科学的に顔を分析してて、とてもオモシロイんです。 是非、アルさんの「顔フェチ倶楽部」を見てみてください。

ありがとうございます。見てみます!

あと気になるというか、席描きデビューでお世話になった人に、タナカサダユキさんがいます。2001年に、この人に誘ってもらったのがきっかけで席描きを始めたんですよ。

タナカサダユキさん?すいません。知らないです…。

テレビチャンピオンで2連覇した人です。関西の笑像画展で、会ったことあるんじゃないですかね。第11回の笑像画展。集合写真に一緒に中谷さんが写っていたの見ましたよ。

うそ、そんな写真あるんですか!その写真欲しいです!あっ、もしかしてあの人かな。名刺交換のときに、真っ白な名刺に筆ペンでササッと相手の顔を描いて、名刺を渡す人がいたんですよ。めちゃくちゃカッコ良かったです。どんなにカッコいい名刺をもらっても、あのときの感動にはかなわないです。でも、僕は名刺交換してないんで、名前は覚えてないんです。

たぶん、タナカさんですね。あの人の絵は似顔絵の域を超越してますね。たとえば普通に座っている目の前のモデルを、想像で複雑なポーズで描いたり、衣装を変えたりとかね、モデルのイメージにあった物語を演出するんです。短時間でそんなことできます?僕は顔を似させるだけで精一杯だもんね(笑)。

聞いてるだけですごいですね。タナカさんにも話を聞きに行きたいですね。w

それから、ちょうど同じ頃お世話になった、やまだみつるさん。上品なデフォルメが好きなんですが、席描きデビュー前に、メールや掲示板でいろいろ教わりました。「お子様はマンガのキャラクター風に描いたら喜ばれるよ。」とアドバイスされ、まさに金言でした。

ネット上の付き合いだけで、まだ会った事もない僕に、企業秘密ともいえる独自の描き方のノウハウまで惜しげもなく教えてくれて、なんて器が大きい人なんだ、と思いましたよ。僕なら簡単には教えへんからね(笑)。それ以来、師匠と呼ばせてもらっています。画材は違えど、僕の席描きは、この人の影響を一番受けてます。中谷さんご存知ですか?

聞いたことあるような、ないような…。チェックしてみます!

その後、新潟でのイベントで御一緒して、席描き前夜、真夜中まで一緒に飲んだんです。当日は寝不足で、僕はヒーヒーいいながら描いてたのに、やまださんは、お客さんと談笑しながら楽しそうにスイスイ描いてるわけ。何なんだこの違いは!と思いましたよ(笑)。積んでるエンジンが違う、圧倒的な余裕とスタミナの差を思い知りましたね。席描きの第一線で活躍できるプロとは、ああいう人ですね。

その方もめちゃくちゃスゴそうですねえ!

自分の絵を好きにならんとあかん!

野村克也の似顔絵

僕はいろんな人と会うたびに、有名な人を知るんですよ。今回もいっぱい教えてもらいましたよ。たくさんインタビューしたら絶対オモシロイ!クリエイターは個性的やし、いろんな考え方があるからオモシロイです。クリエイター同士で話すと、得るものが多いんじゃないですか?

確かに得るものも多いけど、危険も潜んでますね。恐いのは、自信を失うことですね。 スゴイ人と交流すると、今までの自分が築き上げたものが崩れそうな時ってありませんか?僕は何度か路頭に迷いそうになりましたよ。それを乗り越えて、自分の絵に自信を持てるかどうか、やね。スゴイ人の作品を見ても、自分やったらココはこうするだろうな、と考えられるようになったら、手応えあり!ですね。逆に、この人は完璧や、って完全にファンになってしもたら、厳しいね。

同じ土俵で戦ってるわけですからね。

そういえば席描き始めた頃も、路頭に迷いましたねえ。ある時、笑像画展の集まりで、タナカさんが筆ペンの模範演技を見せてくれたんです。サササって描くわけですよ。筆ペンはめちゃ早いし、キレイなんです。

なるほど。

その場にいた人は「うーん、やっぱ、筆ペンやな…」って思ったわけです。でも、それは落とし穴です。画材もタッチも人それぞれなんで、自分に合うとは限らないでしょ。僕も何とか遅描き解消のため、絵を変えたいと日々思ってたから、さっそく筆ペンに飛びついて、しばらくさわってたけど…挫折しましたね(笑)。それで、また色鉛筆に戻ったんです。広い面を塗る時はパステルを併用したり、工夫してスピードアップするほうがいいと思ってね。

なるほど。

ある商業施設のイベントでね、3人グループで描いていて、僕のところでずっと待ってくれている、ご家族がいたんです。他の席が開いたのに、スタッフの人の話では長時間待ってくれてたそうです。 それで、描いているときに「この子があなたの色鉛筆の絵がいいと言うので待ってました」って言ってくれたんです。あれは嬉しかった。強者が揃っている中でしたからね。

それはめっちゃ嬉しいですね。

たとえ10人に1人でも、あなたの絵が一番好きです!と言ってくれる人がいるなら、自分の存在価値があると思いましたね。自分の絵を変えないで良かった、と。人の絵から学ぶことは必要やけど、自分の絵を否定したらあかん。自分の絵が一番好きになることは大切やと思います。

すごく分かります。僕も同じで、実は自分の似顔絵はそんなに好きじゃないんです。でも、毎年依頼いただけるリピーターの方がいて、本当に喜んでくれる。そういう人たちがいるから、やる価値が感じられるんです。それで自分の絵を好きになってきたというのはあります。

自分のスタイルを確立するために、好きな人の絵の影響を受けてもいいと思うんですよ。

そうですね。どんなクリエイティブな仕事でも、最初は自分の好きなモノの模写から始まると思います。

そうそう。そこから自分流にアレンジして、独自のスタイルを確立していけばいいと思います。僕もそうしてきました。でも、口で言うのは簡単やけど、なかなか納得いかなくてねえ。自分好みのスタイルを確立するのは、ホンマむずかしいです。

そらそうですよ。独自性を確立するのってほんとすごいことやと思います。でも、何よりも、自分の絵を好きになることが大切ってことですね。

そうですね。自分の絵が好きになって、自信を持っていれば心に余裕が持てますよ。あの人はいっぱい稼いでいるとか、有名だ、とか比較しても、あまり落ち込まなくなります(笑)。そのためには自分を納得させるだけの努力の積み重ねが必要ですけどね。

それは継続してきた力ですね。

顔の謎を解くのが楽しい。

福原愛 不思議の顔の似顔絵

肖像権の問題がなければ、こんないい商売ないんやけどね(笑)。絶対、売れるグッズ作れるのに。

事務所と契約できたらいいんですけどね。僕はサッカークラブかお笑い事務所といつか契約できたらいいなと思っています。でも、ぜんぜん有名人を描いてないです…。みんなは、いっぱい一般の人を描いてるのに、芸能人もいっぱい描いててほんとにすごいと思います。 僕は一般の人を描くようになって、芸能人は全く描かなくなってしまいました。

僕は有名人を描くのは、趣味としてやってますね。

結構描いてるんですか?ウェブサイトに掲載してます?

ウェブサイトには掲載してないなあ。僕は謎解きとして楽しんでいるんです。顔はミステリーやから。似させるために、何をどうしたらいいのか考えるのが好きなんです。それを見つけたら、謎がとけた!って感じです。 似顔絵がオモシロイのは、顔の謎を解いたときの快感なんです。 これはイラストを描く他の仕事にはないんです。でも、下書きで謎がとけたら、それ以上やる気なくなって、サイトに掲載するところまでいかないんよねえ。

すごい分かる!0から生み出す人は、そうなんですよ。もう先が見えたらやる気なくなるんですよ。後は単純作業でしょ。

そう。色を塗ったりするだけやけど、そんなんはそんなに楽しくないから。もうええか、ってなってしまう。 だから、僕は公開してる芸能人の似顔絵が増えないんよねえ。笑

そうなんですね。その先の完成度を上げるのが好きな人もいるんです。そういう人は、0から生み出すのは苦手な人が多いんですけどね。ペアになったらええのにと思います。描きかけのイラストも見てみたいんです。70点ぐらいの状態でも、絶対オモシロイと思うんですけど。

目の下に涙袋ってあるでしょ。ある時に、どうしても似てなくて困っていたんやけど、涙袋を描いたら解決したんです。 それまで僕は、それを描くと老けるから描いたらダメと思い込んでいたんですね。 でも、ネットで調べてみたら、美容整形で涙袋をつける人がいるんです。それ以来、涙袋を描くようになりましたが、一生勉強やと思いました。 描いたら似てるし、喜ばれるし、言う事なしです。目も大きく見えるんです。でも、位置をちょっと間違えると、目の下のたるみやクマになるので注意です(笑)。こういうの分かったときも快感です。

めっちゃオモシロイエピソードですね!

似顔絵ポリシーはミステリアス

渡辺満里奈 不思議の顔の似顔絵

もう十分聞いた気がするんですけど、似顔絵のポリシーってありますか?こんな似顔絵を描きたいとか。

僕は自分の似顔絵を「不思議やわらかタッチ」って名付けていて、丸みのある、やわらかい似顔絵を目指してます。鉛筆画・CG・立体など、技法は使い分けてますが、共通のコンセプトは、どこかミステリアスで可愛い、そんな不思議テイストな作品ですね。

すごい明確なポリシーですね!

ポリシーが明確になったのは、NHKのテレビ番組で似顔絵の講師をされた、あの小河原智子さんのおかげなんです。2008年に、小河原さんから似顔絵博覧会の参加依頼が来たんです。その時に提出したアンケートに、似顔絵ポリシーに関する項目があったんです。あの時に書き出したことで整理できました。現在はクライアントとの交渉や、今回のインタビューでも、自分の考えを言葉で明確に説明できて、とても役立ってますよ。

なるほど。確かに文章に書き出すと頭を整理できますね。小河原さんの似顔絵の本を読んだことがあります。すごい有名な人ですよね。ええと、デフォルメされた似顔絵より、肖像画的な人のほうが一般受けすることはどう思いますか?

僕は前から似顔絵と肖像画は別ものだと思っています。肖像画はモデルの人そのものですが、似顔絵はモデルと共通点を持った別人。だから、似顔絵は実在のモデルをベースに生み出された、キャラクターデザインのようなものだと考えています

なるほど。キャラクターデザインですか。オモシロイ。

僕の場合、キャラクターっぽく似させる技として、何かの動物の一部分と合体させて描いたりします。そうすると不思議と似てくることがありますね。

オモシロイですねえ。

似顔絵人形の不気味の谷現象

実は、粘土で似顔絵も作ってるんです。今日はいくつか持ってきたんです。これが加藤清史郎くんでしょ。

加藤清史郎の粘土人形

うわっ、これすごいですね!なんでこんなん作れるんですか。 こっちはブルース・ウィリスですね。

ブルース・ウィリスの粘土人形

よく分かりましたね(笑)。でも似てない、というか納得いかないんですよ。これは不気味の谷現象が出てるんですよ。

何ですか、それ?

ええと、ロボットが人に近付いてリアルになるほど、ある時を境に不気味になるんです。リアルになると好感が持てますが、リアルになりすぎると不気味に感じるんですね。完全に人間と見分けがつかなくなると、また好感をもてるようで、その間の箇所を「不気味の谷現象」って言われているんです。フルCG映画が、リアルすぎるとヒットしないことがあるのは、こういう理由もあるのでは、と言われてます。

このブルース・ウィリスも特に不気味ってわけじゃないし、展覧会では評判悪くなかったんですよ。でも自分の作品じゃない違和感がある。この場合、自分の設定したデフォルメの尺度を超えてリアルになりすぎたわけで、僕にとってだけ、不気味の谷なんですね。だから修正して納得いくまで自分のサイトではUPしません(笑)。

なるほど!オモシロイ。

そういう意味では、この加藤清史郎くんは成功例です。こんな感じで、似顔絵粘土を作っていきたいと思ってます。

これすごいなあ。1つ作るのにどれぐらいかかるんですか?

やっぱり結構かかりますよ。半月ぐらいですね。

あ、でも、それぐらいなんですね。こんな完成度が高い似顔絵の粘土は見たことないですよ。いやー、クオリティ高いですね!

粘土は、いしいたみこさんが師匠なんですよ。

えっ、たんぽぽのサイトの方ですか?

そうです。たんぽぽ工房というサイトを運営してますね。

ああ、知ってます!その人も昔に似顔絵グループ個展でお話しましたよ。2006年当時、似顔絵を描き始めたばっかりで、席描きも粘土も作り始めって言うてました。

テニスのフェデラーいるでしょ。彼の友達から依頼を受けて、フェデラーの人形を作ってましたよ。

彼女の粘土はすごいですよ。 あの人も席描きもプロです。タナカさんの技を継承してますよ。ぜひ、たんぽぽさんのサイト見てみてください。

はい!僕が石井さんのサイトを見てたのは6年ぐらい前ですから、あれからすごい経験を積んだんでしょうね。すごい!感動します。

似顔絵以外のイラストの仕事

似顔絵以外はどんなイラストを描いてるんですか?全部が色鉛筆ですか?

色鉛筆メインですが、状況によって水彩やパステルも使います。もちろんパソコンでも描いてますよ。タッチも変えます。やっぱりいろんなタッチを描けたほうが仕事きますしね。デフォルメゆるめのタッチでは、教科書の挿絵とか描いてますよ。

似顔絵以外のイラストの仕事

うわっ、教科書のイラストも描いてるんですか。ほんまにすごいですね。他にもあるんですか?

ほかは、絵本の作り方、児童用書籍向きのイラストの書き方を教えてますね。人形のキャラクターデザインもしましたね。

ほんまに何でもやるんですね。

ウェブ制作や今後のこと

それにしても、ウェブはどんどん変わっていくから大変やね。手法自体が変わっていくから、年をとっていくと、キツイ仕事やね。

確かに、似顔絵のほうが手に職やと思います。ウェブはテクノロジーの進化についていかないといけないので。

僕はGoLiveでウェブサイトを作ってけど、アドビがサポートやめたから、ドリームウィーバーの勉強をしてるけど、ぜんぜん分からん…(笑)。

ウェブサイトもやろう、というモチベーションはどこから来るんですか?

ウェブサイトは作品というよりは稼ぐため(笑)。ウェブからの依頼はやっぱり多いので、その稼ぎを増やしたい。SEO対策とかせんとあかんでしょ。

ああ、そういうことですか。素晴らしい似顔絵描きにこのサイトからアクセスが増えて欲しいですね(笑)。僕の好みと世間の好みは違うかもしれないけど。

あ、ついでに教えてください。今フラッシュを勉強してて、サイトをリニューアルしてるんですが、フラッシュってどうなんですか?

うーん。正直なところ僕はなくなっていく技術だと思います…。やっぱり、ウェブサイトは htmlで作ったほうがいいです。ただし、アニメーションを作る技術という意味ではまだ使われると思います。似顔絵アニメーションとかないから面白いと思いますよ。

なるほど。これからは、フラッシュで似顔絵アニメーションを作ったりもして、ウェブコンテンツを充実させたいですね。3Dもやりたいし。

すごいモチベーションですね!

ほんで、オリジナルの作品を作って、一儲けしたいですね。そう簡単にはいかないことですけど頑張ります!

いいじゃないですか!なかのサンはアグレッシグですね。応援してるので頑張ってください!今日は本当にありがとうございました!

なかのさんからのメール

[玄関|]∵=) ̄ソォーッ (°°;)) ̄。。オロオロッ。。”” ̄((;°°) ヒェ~、あんなコトや、こんなコトも載っとる。。。 ̄(。-_-。) ̄ポッ ヾ( ̄ω ̄@) ̄ モシモシ?あのぅ、インタビューってのは普通は回答の半分も反映されないのでは?(笑) いやはや恐れ入りました。文章化さぞ大変だったと思います。ロングインタビューお疲れさまでした。とても楽しかったです!ありがとうございました。

さらに似顔絵まで描かせていただき、重ねて感謝します。謎解き、楽しませていただきました。それにしても中谷さんの顔は奥が深い。僕が分析したところ、下アゴは発達してるけど、飛び出ていない。でも、しゃくれて見える?  ̄(  ̄ω ̄”) ̄ウ~ム、ミステリアス。。。

やっぱり、犬系。そして、かなりシャクレてますね(笑)。だんだん自分の顔が分かってきました。なぜか帽子が小さい。

中谷よしふみ by なかのヒデアキ

あとがき

どんどん長くなってるインタビューだけど、今回もめっちゃ楽しかったです。 似顔絵を描いてもらえて本当に嬉しいです!他にもたくさんの似顔絵があるので、作者のサイトも是非見に行ってください。